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賭けに走った『ライン川の直線化』 自然の逆鱗に触れる! <ドイツ> 「洪水による62億ユーロ(約9兆円)の損害よりも、5,5億ユーロ(約8千億円)の投資の方が格安」とするバーデンビュルテンブルク州(独)の考え方は合理的だ。しかもその具体策、ライン川の蛇行をフランスと共同して蘇生しようという広大な構想が、2017年に完成しようとしている。フランス側では、既に複数のダムと遊水池が完成している。 ライン川は今から二00年ほど前、北海からスイスのバーゼルまで大型船舶を就航させ、交易を進展させようと、600・に渡って川を直線化してしまった。蛇行をなくした為、川の延長は100・も短くなり、生態系は崩れ、洪水が頻繁に起こるようになってしまった。人工堤防に挟まれて流れる直線部分は、地面より高いレベルにあり、すぐにでも溢れてしまいそうだ。 1955年に起きた大洪水では、ライン川周辺のほとんどの街を水没させ、総額65億ユーロの被害をもたらした。その翌年の1956年、独仏がライン川の共同管理をする国際洪水研究委員会を設立、ライン川を以前のように蛇行させ、自然の生態系を取り戻し、洪水を防止しようとの動きが始まる。1969年以降、フランクフルト、ノーインブルクバイヤ、インフェルハイムなどで改修工事やダム工事が行われたが、洪水は解消されなかった。1985年、バーデンビュルテンブルク州がライン保護プログラムを創設した。かつてのラインの蛇行を再生させ、水環境を甦らせながら200年に一度起きるであろう大洪水を防ごうという未来への「投資」を実行に移した。 グレッフェン自然保護センターでは、13ケ所の遊水池造成を担当、既に4ケ所が完成している。ライン川の堤防も、鉄筋コンクリートに造り変えた。もちろん表面を土で覆い、芝や草がはえている。しかも川沿いに長さ19・深さ14・もの矢板を打ち込み、川への地下水の浸透を防いでいる。一つの遊水池の大きさはおよそ40・、東京ドームより少し小さい程度。川上側と川下側に水門を設け、これを開閉することで、池の水位を調整する。水辺には、かつての植栽を復活させる。とうもろこしやピートを植えた遊水池もある。 「堤防は安全ではない」 <神奈川> 日本の基準では、川の堤防は「砂」で良く、昨年の新潟の洪水のように、堤防の外側から削られての決壊を防げない。つまり神奈川県のように「洪水が起きたらどう対応するか」を考えるしかない。「避難勧告は適切だったか」「救助は適切だったか」など、行政はちゃんとやりましたと胸をはって報告できる状態であれば良いのであって、「犠牲者や被災者の数や損害を無くす」事を配慮した堤防ではない。「堤防があるから安全なのではない」とはっきり言われてしまうと、大雨が降らない様、神様にお願いするしかないのだ。自然の遊水池敷地である河川敷の個人所有を認めてしまったことも問題だ。新潟でも河川敷に住宅が立ち並び、工業団地が造られていた。 神奈川県では「1時間あたり50ミリに対応した洪水対策であり、10年に1度おきる洪水にさえ対応しない」と明言。しかし、ドイツやフランスでは、500年に一度起きるであろう大洪水さえ防ぐ。 このギャップを国の違い、文化の違いとして片付けてしまうのは簡単である。だが我々のように、日本人として生まれた「ライン人」は、いまや少数民族ではない。数百年かけて一つの城や寺院を造る、という発想を取り入れなければならない時代なのだ。「市民の財産と生命を守る」ヨーロッパ民主主義の原点を、日本は、そして日本を変える神奈川県は、真摯に見つめ直さなければならない。 洪水対策は、山の保水能力と遊水池という、最も原始的な方法に頼ることが最善である事、そして水や自然を愛する心の必要性を痛感した。 〜欧州的民間経営の魅力〜 我々が視察した水道業者は、いずれも第三セクターであった。 民営化して5年間でスタッフを2000人から1000人に減らすという、日本ではあり得ない実績を持つ。あるいは、より安全な水を創り出す技術を競い合うなど、100%民間経営なのではと思ってしまうような経営をしている。 出資は行政であっても「歴史ある民主主義」が自由競争に耐えうる運営形態をつくっているのだ。行政の関わり方、スリムな体制をもたらすチェック機構、労働者を含めて経営の責任を担うしくみなど、「安全でおいしい水」をつくり出すには、社会的要素の完成度も影響する。 本県のように行政に水利権が認められていること、経営主体が複数(企業庁と企業団)であることなどは、既に時代にそぐわない。酒匂川の水を、県を横断して横浜に運ばなければならないなどという無駄は、一刻も早く解消すべきである。 |
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●ラインよもやま● ワインがラインを汚染? 紀元前400年、ローマ人がライン河畔を北上した際、ぶどうとワインをもたらした。ライン川の豊かな恵みはぶどう畑を成功させ、ワインの生産が始まった。そして、世界で最も美味しいワインの産地となった…が、ぶどう園に使用される大量の農薬が汚染や富養化の大きな原因となり、農薬の改良などの対策が進められている。 〜駅には改札が無い!客はキセルをしない!モラルの高さにびっくり!〜 ヨーロッパの駅は改札がない。つまり路面電車にプラットホームと駅舎をくっつけたような状態。日本で、きっちり管理された改札口に慣らされていると、切符を持っていても「乗っていいのかな」となぜか不安になる。 だが、列車の中では検札や警察官の巡回が厳しい。「キセル」がばれると、一万円程の罰金が課せられる。 <ラインは魚に優しい> ライン川の直線化は、川に急勾配を生じさせた。これを克服するための施設が(スエズ運河にある様な)4箇所の「閘門」(こうもん)だ。 上・下流2つの門を開閉する事で、船を上下させている。しかしその内2箇所の閘門には魚道が設置されておらず、せっかく甦ったさけの遡上を妨げている。遊水池の水門には魚道も併設されており、この問題も解決するだろう。 日本のダムのように、数十メートルもの落差を作ってしまうと、後から魚道を設置するなどして人工的に川の生態系を取り戻すのはむずかしい。ダムの上流域の川は、着実に死んでゆくのである。 <ゲルマン民族は緑が大好き> ドイツでは、直径60・を越えた木は、市の許可がないと切れない。許可が降りても、切った本数分を、他の土地に植樹しなければならない。木の総本数は変えないのだ。 ラインの蛇行を復活させる大規模工事も同様で、何千本と切ったが、それを他の場所に植樹している。 |
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神奈川県議会で初めて! 視察報告会を開催 ビデオや写真よる一般公開の報告会を12月6日に横浜の情報文化センターで開催し、およそ120名の参加を得た。個人的に支出した領収書(食事代・通訳料など)も開示した。県会の海外視察は6年ぶり。過去の行政視察では、企画はもとより、報告書まで業者や随行職員に任せきりにしていたため、「観光旅行」との批判が多かった。 今回の視察は、企画から報告書の作成まで一貫して岩本自身で行うのは勿論、随行職員は議会職員ではなく、視察内容に関係する課の職員とするなど、「海外視察の改革」を目指した。 県議会ではこれまで「視察報告会」は行われなかったが、公開での実施を計画した。ところが「ビデオなどを使った視察報告会を開催し、視察の成果を県民に説明し、第三者から検証してもらいたい。海外視察のお手本になりたい。」との記事が10月2日の朝日新聞に大きく取り上げられたところ、「そんなことをされたら、後から視察に行く者が、皆そうしなければならなくなる」などの批判意見(?)が噴出。先輩議員からは「ビデオの使用・記者の招聘・領収書の開示・公的施設の利用などはせず、議長に報告書を提出するだけに」と申し渡される場面も…。岩本は、茅ヶ崎市議会時代に同様の報告会を開催したが、全く問題視されないどころか、高く評価された。だが、県議会では「画期的な異物」であったらしく、モーレツなハレイション。視察から岩本を外せなどの動きもあり、一度は視察を辞退する騒ぎとなった。だが県議会としては、一度議長決裁したものをひっくり返す訳にもいかない。最終的には「大変な混乱(!?)を招き申し訳ない。報告会はあくまで個人的なもの、誤解を招かぬようホテルなどを借り、公的な報告書が了承された後に開催する」と岩本が議長に陳謝(?)し、一件落着を見た。新堀議長から「すばらしい報告書を期待する。報告会も個人的なら大いに結構。」との激励を受け、『個人的な報告会を大規模』に開催する事ができた。 |
![]() 美しく甦ったライン川 ![]() 透膜濾過方式 |
<オランダ> 『塩素』を使用禁止に(2006年) 〜トリハロメタンの未知なる恐怖〜 生命に優しいか?21世紀の水環境対策 神奈川県をはじめ、日本の水道水は「塩素を使用して殺菌・滅菌すること」が水道法で定められており、蛇口での残留塩素の基準値は0、1・/・以上とされている。しかし、塩素はトリハロメタンという発ガン性物質を生成するため、その原因となる塩素と有機物の量をいかにして減らすかが重要な課題となっている。 水道水の総トリハロメタンは、今のところ日本の基準値を越えてはいないようだ。だがこの0、1・/・以下(WHOの基準値は0、03・/・)という基準値は、10万人に4人が発ガンする率でもあるとされ、ガンの発生に全く影響を与えないと保障する数値ではない。日本の基準値がWHOの基準値の3倍であるのも気になる。 人体を造っている70兆個の細胞のたった一つが汚染されても、変異した細胞がガン化する可能性があり、また次世代への染色体遺伝をもたらす恐れが十分にある。つまり、例えプールに耳かき一杯程の量であろうと、生物の存続を左右してしまう環境ホルモンの如く、人間に健康異常をもたらす危険な物質と考えるべきだ。 また水道水には、70種もの有機化合物が含まれており、この内、人体に有害とされる化合物が30種以上あるが、その危険性の詳細は解明されていない。塩素では死滅しない原虫や微生物混入の可能性も常に有る。近年顕著となってきたアトピーや障害児の多発、癌死亡率の上昇などに、水道水が全く関与していないとは、断言できないのだ。 <塩素もオゾンも危険> スイスは地下水を、ドイツはライン川の水をそれぞれ長時間かけて自然濾過させることで、塩素の使用量をおさえている。オランダではラインの支流であるマース川から取水し、砂丘で濾過してからオゾンや紫外線、あるいは今後主流となる「透膜濾過法」で滅菌している。もちろん、いずれの方法にせよ、塩素などの危険な殺菌剤は使用していない。 驚くべきことに、オランダでは来年から塩素の使用を法律で禁止するという。ロッテルダム市一体を網羅するクラリンゲル浄水場では、オゾンを主とした浄水をしているが、補助滅菌に塩素を使用せず、代わりにクローダイオキサイトという薬品を利用している。しかしオゾンも臭素酸イオンという危険物を生成してしまうので、より安全な水を作るために、大規模な紫外線(UV)浄水システムを造成中だ。今後つくる浄水施設は全てUVにするという。UVの場合、もちろん塩素を使わずにH2O2(オキシフール)を補助滅菌剤として使用する。 PWN・北オランダ水道会社では、塩素など危険な化学物質はもとより、オゾンやUVによる浄水方法さえ安全性を認めていない。ここでは「透膜式」という濾過方式をとっており、世界一クリアーな水を供給している。透膜濾過は海水の淡水化に用いられる方法に似ており、簡単に言えば珈琲サイフォンの原理。ストロー状の細い膜の管に原水を通し、ゴミはもとより、細菌さえ濾過してしまい、蒸留水と同等のきれいな水が得られる。しかも原水は、一年間近く砂丘に浸透させ、バクテリア等を除去してから使用するといった念の入れ様だ。ところが、余りにきれいな水「過ぎる」ため、あえて透膜によらないで浄水した水を混ぜ、美味しくしているという。 全長1320・という長大なライン川を、国境を越えて浄化するなど、世界中で他に類を見ない。 この偉業を推進した国際ライン川保護委員会は、1950年にスイス、オランダ、リヒテンシュタイン、フランス、ドイツ、EUによって結成された。ドイツの中央、コブレンツに事務局を置く。 1970年以降、ライン川の水質は周辺の急速な工業化に伴い、急激に悪化していた。 1986年、スイスのバーゼルで大規模な化学薬品工場の火災が発生、大量の薬品と化学消火剤がライン川に流出、600・下流のコブレンツ(独)の魚が死んでしまう程の大汚染をもたらした。これを機に、休眠していた国際ライン川保護委員会が始動、翌1987年に関係大臣会議を開催、汚染防止対策に取り組むことになった。そして1990年、いよいよ第一次ラインアクションプランが始動、1993年からライン川に水質監視保全体制が敷かれた。 バーゼルはスイス・ドイツ・フランスの国境の街だ。スイスの施設であるライン川水質観測所は、バーゼルの市外、ドイツ領内にあった。 バーゼルでは、川の両岸5ケ所で24時間体制の水質観測を行い、異常値に対しては汚染源をつきとめて問題を解消している。アクションプランが実行されてから15年、スイスでのライン川の水は、煮沸すれば飲める程になっている。現在の問題点は、農薬・重金属・自動車排気ガス・人体から排泄される化学薬品などの汚染であるが、ライン川の水質は、ほぼ自然汚染と同等の水準にまで改善されている。水質向上への取り組みは、たったの15年で目標を達成した。「サケ」は戻ってきたのだ。現在は第二次ラインアクションプランが策定され、新たな水環境整備事業が急速に進んでいる。 |
![]() 自然濾過され、流れ出る水 |
スイス・バーゼルでは、ライン川から取水した水を公有林に浸透させ、14日間かけて自然濾過したものを水道に使っている。公有林は19世紀にできた3・の自然林で、30〜40万人分の飲料水を賄えるという。 樹木はプラタナス、マロニエ、はしばみなどの雑木林と、広葉樹林であった。 地下水脈を絶やさぬよう、小川を引いて送水されているが、林が痛まぬよう、小川は2週間おきに移動される。 |
![]() 見た目は美しい川だが… |
神奈川県の水道料金値上げには、水質の向上が必須条件! 水質の安全を追求する精神は、ライン川流域では、当たり前の観念であり、少しでも危険である可能性を徹底的に排除している。ライン川の水質検査は、常時6市でチェックを行っている他、定期検査を各地で行っている。その一つバーゼルでは、両岸5ケ所から取水し、24時間体制で水質検査を行っていた。少しでも異常が認められると、汚染源をつきとめ即刻対応するという。一昨年八月、相模湖にトリクロロエチレン(脱脂洗浄剤)という有害化学物質が流れ込んだが、なぜか神奈川県は汚染源をつきとめることができなかった。まっこと、残念至極! 本県では、水道使用量が減り収入減となっていることから、近々に水道料の値上げの可能性もある。もしも値上げするなら、取り敢えず寒川浄水場で実験しているような高度処理を施し、塩素の使用量を押さえた「より安全でおいしい水」を提供し、「ペットボトルの水は不用」を掲げるなどして、値上げによるメリットを示さなければならない。なぜなら水は販売されている商品であり、購入量(需要)が減った場合には、品質を高めるか、価格を下げるのが経済原則だからである。「売れないから値上げする」など本末転倒も甚だしい。第一、「危険で不味いもの」を値上げなどしてはならない。ペットボトルの水と同様に安全でおいしければ、水道料金が少々値上がっても県民は納得する。 国が水道法を変えないなら、「塩素を使用しない特区申請」をし「残留塩素0、トリハロメタン0、原虫0、ミネラルいっぱいの、世界で最も安全で美味しい水」を実現する義務がある。なぜなら、『神奈川から日本を変えなくてはならない』からだ。 |
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<ライン川流域視察> 流域面積20万(日本の国土の半分強)、流域人口5000万人。総延長は1320km、およそ青森から下関までの距離を流れるライン川。そこに住む人々は、国を飛び越えて結束し、ラインを浄化し、自然を取り戻し、安全な水を追求している。水源の枯渇とダム湖の水質悪化を抱える神奈川県の進むべき道を求めた。 驚異の水質浄化策! スイス・ドイツ・フランス・オランダは、国境を越えて河川浄化に取り組み、淀川よりもはるかにきれいな水を取り戻した。 神奈川県では相模川上流の山梨県との協調が取れず、そこからたれ流される生活雑排水を、我々の飲料水として利用しなければならないという現実がある。 安全な水道水を求めて… 日本は水道法で塩素滅菌が定められている。しかし塩素は有機物と化合し、トリハロメタンという発ガン性物質を生成する。 オランダは、危険な塩素を使わずに、世界で一番安全な水道水を提供している。 自然の蘇生と洪水対策 ドイツ・フランスでは、「ラインの直線化」を見直し、蛇行を復活させて水環境を再生し、あわせて洪水対策とする、夢のような発想を正に現実のものとしている。 日本ではダムが山砂を止め、魚道を断ち、水の生態系を破壊しただけでなく、砂浜を壊滅状態におとし入れた。また養浜と称して山砂やダム砂を海に投入するなど、生態系はここでも破壊されてきた。ダムに魚道や砂道、清流バイパスなどを設置し、自然の営みに戻す以外に生命の存続はあり得ない。自然を愛し、共存を図るライン流域の人々の心に、多くを学ばねばならない。 |